アトピー性皮膚炎の標準治療の3本柱のひとつ、ステロイド外用薬ですが、あんがい正しい塗り方をしていない方が多いようです。
といっても、実際に処方されたときに時間をとって塗り方をていねいに教えてもらったという人のほうが少ないような気もします。
さすがに今はないでしょうが、10年位前は「ステロイド出しておきますから塗ってくださいね」、とポンとお薬を渡されただけ、という人もいます。
ステロイドと一緒に塗り方をメモ書きのようなかんじで書かれた紙をもらっただけ・・・。
我が夫の実体験です。
ステロイド外用薬を効果的に使うコツ
- 症状に合った強さのステロイドを処方してもらう
- 清潔な肌に塗る
- 適量を炎症が完全に治まるまで塗る
医師とのコミュニケーションの重要性
アトピー性皮膚炎の治療にあたっては皮膚科、乳幼児であれば小児科または皮膚科になると思います。
アトピー性皮膚炎の治療は、医師のアドバイスを基に患者自らが治療していく意識が大事です。
受診の際もただ聞かれたことに答えるだけではなく、自分から積極的に質問する気持ちが大事です。
納得のいく診察を受けるためには医師とのコミュニケーションは重要です。
処方されたステロイドについても塗り方や部位やその範囲、期間をしっかり聞きましょう。
ステロイドは清潔な肌に使用する
ステロイドは清潔な肌に塗ることが重要です。汗やホコリがついた肌では十分な効果が期待できません。通常炎症のある場合は1日2回の添付が推奨されていますがこの場合朝・夕の2回です。
夕は入浴後を想定しています。朝の添付についてもシャワーを浴びて寝ている間にかいた汗、前日に塗ったステロイドなどを洗い流してから塗りましょう。
ステロイドの適量を正しく知る
ステロイドはアトピー性皮膚炎を鎮める効果が高いのは周知の事実です。その効き目の強さから副作用を心配する人が多いのもうなずけます。
ただ、怖いからといって少しだけ使う・・・とか、酷くなったときだけたまに使う・・・というような漫然とした使い方をしている方が、アトピーを治すどころか悪化、難治化させてしまいます。
ステロイドを使用しても十分に効かない場合、塗り方が薄いまたはすりこむように塗っていることが考えられます。
ステロイド外用薬を使用するに当たっては効果的な量がありますが、毎回○gを○c㎡に塗るといわれてもいちいち量っていられませんね。
そこで目安になるのが「フィンガーティップユニット(FTU)」です。
人差し指の先から第一関節まで薬を搾り出したときの量が1FTUです。
1FTUは約0.5gです。(ローションの場合は1円玉の大きさ)
1FTUで大人の手の平2枚分の面積に塗ることができます。
ステロイド外用薬の正しい塗り方
クリームタイプの保湿剤を塗るというと、伸ばしてすり込む とイメージすることが多いと思います。ハンドクリームなどもそうですよね。
でも、ステロイド軟膏の場合は塗るというより
皮膚にのせて広げる
というぐらいが適量です。
患部に合わせた量の薬を点々と数箇所に分けて皮膚にのせていき、ペタペタと広げていくイメージです。
すり込むと皮膚に刺激となってしまう上に肌の凹凸全体に薬が行き届かなくなります。
薬を塗った患部にティッシュを当てて落ちないくらいが適量です。